数式のグラフ・絶対参照と相対参照
筑波大学農林工学系 奈佐原(西田)顕郎
数式のグラフ
数値解析の初歩として、数式を離散化して計算し、グラフに描いてみよう。グラフ化には、GNUPLOTなどのソフトがあるが、初心者にとっつきやすいのは、LibreOffoce/Calcのような表計算ソフトであろう(MS-Excelでもいいけど)。
課題2-1: LibreOffoce/CalcまたはMS-Excelで、-1<x<1の範囲でy =x, y =x2, y =x3のグラフを重ねて描け。背景は白とし、x軸、y軸、目盛り、凡例などをきちんと整えること。
解説:左端のA列には、xの座標値(-1から1)を離散化して入れる。具体的には、A4に-1を入れ、A5には「=A4+0.1」と入れて、あとはA5を A24までコピー&ペースト。
次にB4に「=A4」、C4に「=A4^2」、D4に「=A4^3」などと入れて、それぞれ下の方までコピー・ペースト。そうしてA3からD24までをマウスで選択して、挿入→グラフでグラフを描く。グラフオプションは「散布図」を選ぶこと。
注意: LibreOffoce/CalcやMS-Excelでグラフを描くと、背景がグレーで、外枠などのついたグラフができるが、そのような体裁は、口頭発表や論文などに提示するグラフとしては、色々な意味で不適切である。口頭発表したり卒論を書くときのために、以下のページに目を通して、グラフの描きかたのみならず、様々な科学技術表現の最低限の作法を身につけるようにして欲しい。
論文の書き方について
相対参照と絶対参照
- 表計算ソフトでは、あるセルで他のセルの値を利用することが多い。これを参照という。
- 参照には、「相対参照」と「絶対参照」の2通りのやりかたがある。通常は(デフォルトでは)相対参照となる。
- 相対参照とは、参照先のセルの位置を、参照元のセルの位置からの隔たり(つまり相対的な位置関係)で指定する参照方法。
- 絶対参照とは、参照先のセルの位置を、表全体の中での位置を指定する参照方法。
- 絶対参照は、パラメータ(定数)への参照によく使われる。
- 絶対参照を行うには、参照先のセルの位置表示に、$の記号をつければよい。
- 行と列、それぞれ別々に相対参照と絶対参照を使い分けることができる。(これを複合参照という)
参考になるページ: Excel豆知識
課題2-2. y = (sin ax)/a のグラフを、a=1,2,3,4の場合について絶対参照を利用して計算し、重ねて描け。
課題2-3. y = (sin ax)/xのグラフを、-10<x<10の範囲で、a=1,2,3のそれぞれについて重ねて描け(ただしx =0のときy = aとする)。
(この関数はsinc関数と言って、電波に対するアンテナの受信特性など、広い分野の理論的基礎である。)
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References:[数値解析入門]