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最終更新日:2022/03/31  

EC12171   物理学

3.0 単位, 1 年次, 春ABC 金4; 秋ABC 水4
奈佐原 顕郎, 粉川 美踏, 足立 泰久, Utada Shinichi, 杉本 卓也

授業概要

生物資源学類全般の学習・研究の基礎として必要となる物理学を学ぶ。EC12331「基礎数学」で扱う数学を前提知識とする。

備考

「物理学」(EC12081)、「物理学I」(EC12181)及び「物理学II」(EC12191)を修得した者は履修できない。
その他の実施形態

授業方法

講義

学位プログラム・専門コンピテンスとの関係

専門コンピテンス2:生物資源学の諸分野で使われる物理学の基礎を学ぶ。

授業の到達目標(学修成果)

生物資源での専門的学習・学究に必要な物理学の基礎を習得すること。物理学の論理体系を理解する考え方を習得すること。科学技術の基礎である物理学の知 識、数学を使って自然現象を記述する能力を習得すること。クラスメートと相談・議論することを通して、論理的なコミュニケーションの能力を習得すること。

キーワード

運動の三法則、力学的エネルギー、運動量、慣性モーメント、ケルビンの原理、過程、熱関数、エントロピー、電荷、電場、磁場、電磁誘導

授業計画

物理学は,様々な現象を記述する法則を発見し,それらを体系化することにより自然を理解しようとする学問である。生物資源学類で扱う農学, 生命科学, 環境科学やそれらに関する技術においても, 物理学は非常に重要である。
【力学】物理学の中でも最も基礎的であり, かつ実用的にも重要な分野である, ニュートン力学を学び, 「物理的にものを考える」スキルを養う。
【熱 力学】熱力学の理解は生物資源、環境を学ぶ上で必須な基本事項である。熱”力学”は力学の延長線上にあるという立場から、熱力学におけるポテンシャル(熱 力学関数)の1つに相当するヘルムホルツの自由エネルギーの導入をスタート点に、エネルギー保存則、カルノーの定理、エントロピー、エントロピー原理と いった熱力学の基礎事項を学んでいく。加えて、化学にも登場するギブスの自由エネルギーや、電磁気学にも関連した話題を扱いながら、生物資源に登場する” 熱力学”への理解を深めることを目指す。
【電磁気】電気や磁気は目に見えない上、離れた物体の間でも働く力であるため、古代より魔術のような力と して人間の興味を引いてきた。近代以降、電磁気学の理解は一気に進み、マクスウェル方程式とよばれる4つの式ですべてが説明できる、という物理学の極みの ような学問になった。一方、電気(そしてそれを発生させるために必要な磁気)は現代の私たちの生活を成立させている根本的な技術となっている。本講義は人 類の歴史における電気の登場とその発展を振り返りながら、電気・磁気の基礎知識を学習することによって、今や私たちの生活とは切っても切れない技術への理 解を深めることを目標とする。
 春学期は「基礎数学」(金曜3限)と続きの授業(金曜4限)であり, 担当教員は同じであり, 内容的にも密接な関係にあるため, これら2つの授業を強く連携させて実施する。

第1回 ガイダンス 担当: 奈佐原 顕郎
第2回 力の法則 担当: 奈佐原 顕郎
第3回 仕事とエネルギー 担当: 奈佐原 顕郎
第4回 運動の三法則 担当: 奈佐原 顕郎
第5回 さまざまな運動 担当: 奈佐原 顕郎
第6回 これまでの復習・演習 担当: 奈佐原 顕郎
第7回 慣性力と慣性系 担当: 奈佐原 顕郎
第8回 力学的エネルギー保存則(1) 担当: 奈佐原 顕郎
第9回 力学的エネルギー保存則(2) 担当: 奈佐原 顕郎
第10回 運動量保存則(1) 担当: 奈佐原 顕郎
第11回 運動量保存則(2) 担当: 奈佐原 顕郎
第12回 角運動量保存則(1) 担当: 奈佐原 顕郎
第13回 角運動量保存則(2) 担当: 奈佐原 顕郎
第14回 慣性モーメント 担当: 奈佐原 顕郎
第15回 まとめ・復習 担当: 奈佐原 顕郎
第16回 仕事とポテンシャルの復習,熱力学の基本操作 担当: 杉本 卓也
第17回 ケルビンの原理と最大仕事,ヘルムホルツの自由エネルギー 担当: 杉本 卓也
第18回 断熱仕事と内部エネルギー,熱と仕事の等価性 担当: 杉本 卓也
第19回 熱力学第一法則と最大級熱の原理 担当: 杉本 卓也
第20回 カルノーの定理,エントロピー,エントロピー原理 担当: 杉本 卓也
第21回 熱力学とステファン-ボルツマンの法則 担当: 杉本 卓也
第22回 ギブスの自由エネルギーと化学ポテンシャル 担当: 杉本 卓也
第23回 【波動1】波の基本性質、重ね合わせの原理、ホイヘンス=フレネルの原理
【電気1】電荷とクーロンの法則、ガウスの法則
担当: 粉川 美踏
第24回 【波動2】波と物質の相互作用(反射、屈折、回折、散乱)、波動方程式 担当: 粉川 美踏
第25回 【電気1】電荷・電場・クーロンの法則・ガウスの法則 担当: 粉川 美踏
第26回 【電気2】電位・電圧・定常電流・電気双極子 担当: 粉川 美踏
第27回 【磁気】静磁場、磁束、ガウスの法則
【電気と磁気の関係(時間変化なし)1】電流と静磁場、ローレンツ力
担当: 粉川 美踏
第28回 【磁気と電気(時間変化なし)2】電流がつくる静磁場、アンペールの法則 担当: 粉川 美踏
第29回 【磁気と電気(時間変化あり)】電磁誘導、ファラデーの法則、交流の発生、マクスウェル方程式 担当: 粉川 美踏
第30回 【環境工学コースの研究紹介】 電気や波動の応用をはじめ,様々な科学をベースに行われる工学的研究とは何かをコース所属教員の研究事例を通じて紹介する 担当: 粉川 美踏

授業の連絡は、manabaを使って行う。資料等も, manabaで共有する。

履修条件

- 高校で物理を履修していない(または履修したが受験しなかった)学生を想定して授業を進める。つまり高校で物理をとっていなくても大丈夫。
- ただし, 物理学には数学, 特に微積分学とベクトルの知識が必要不可欠。したがって高校数学の数IIIまでを履修していることを前提とする。
- EC12331「基礎数学」を受講すること。

成績評価方法

レポート, 小テスト, 期末試験等の総合成績で評価する。

学修時間の割り当て及び授業外における学修方法

教材・参考文献・配付資料等

【力学】
配布プリント。http://pen.envr.tsukuba.ac.jp/~nishida/physics_text.pdf
数学の基礎として下記の「ライブ講義 大学1年生のための数学入門」
【熱力学】
配布プリント
偏微分,全微分といった数学的な基礎は,下記の奈佐原先生の書籍「ライブ講義 大学生のための応用数学入門」に基づいています.
より詳細な議論が気になる方は,田崎晴明著 「熱力学 現代的な視点から」や佐々真一著「熱力学入門」がおすすめです.
【電磁気学】
配布プリント
授業で用いるベクトル解析の知識は、奈佐原先生の下記の書籍等を用いて勉強することをおすすめします:
「ライブ講義 大学生のための応用数学入門」

1. 関口・鈴木「マンガ 物理に強くなる」ブルーバックス https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/search/?q=9784062576055
2. 奈佐原顕郎「ライブ講義 大学1年生のための数学入門」講談社 (第3刷以降) https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/search/?q=9784065146750
3. 奈佐原顕郎「ライブ講義 大学生のための応用数学入門」講談社 https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/search/?q=9784065212967
4. 田崎晴明 著 「熱力学 現代的な視点から」

オフィスアワー等(連絡先含む)

奈佐原 顕郎  
nasahara.kenlo.gw@u.tsukuba.ac.jp http://pen.envr.tsukuba.ac.jp/~nishida/
粉川 美踏  
kokawa.mito.ke@u.tsukuba.ac.jp
足立 泰久  
adachi.yasuhisa.gu@u.tsukuba.ac.jp http://www.eng.bres.tsukuba.ac.jp/colloid/research-unit/
Utada Shinichi Andrew 
utada.andrew.gm@u.tsukuba.ac.jp
杉本 卓也  

杉本 卓也
E-mail: sugimoto.takuya.gn@u.tsukuba.ac.jp

その他

詳細はmanabaを通じて告知する。

他の授業科目との関連

EC12262 数理科学演習
EC12331 基礎数学

ティーチングフェロー(TF)・ティーチングアシスタント(TA)