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とらりもん - ESA SNAPを使ったSAR画像解析2 Diff

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!視覚的なSAR画像の表示画像をダウンロードして、SNAPへと取り込んでみましょう。
世界各国が沢山のSAR画像は偏波の情報を持っています。そのため、それぞれの偏波に色を割り当ててカラー画像として表示することも可能ですの衛星を打ち上げていますこの手法によって以下に有名な衛星と偏波の地表の特徴に対する反応の違いを視覚的に見ることができます簡単な特徴を挙げます

#上部のWindow→Open RGB Image Windowを選択してください。
#Red,Green,Blueに
*Sentinel-1...ESAの持つCバンドを割り当てることができます。「ESA SNAPを使ったSAR画像解析1」で処理した画像を用いる場合には衛星で3つの色に対してデータが無料で公開されています。つのバンドしかないため機編成なので回帰日数が短いのが特徴です。
*ALOS
BlueがVV/VHと設定されていると思いますALOS-2...JAXAの持つLバンドを使った衛星ですLバンドは樹冠などの透過力が高く、またどちらの衛星もフルポラリメトリの観測が可能です。
#OKを押せば各バンドの値をRGBに割り当てた画像が表示されます*RADARSAT-2...CSA(カナダ宇宙庁)の持つCバンドを使った衛星です。フルポラリメトリの観測が可能です。
*TerraSAR-X...DLR(ドイツ航空宇宙センター)が打ち上げた、官民共同運用のXバンドを持った衛星です


!サブセットの作成
衛星から撮影された画像はスケールが数100km単位のものが多く
上記の様なSAR衛星がありますがそのまま扱うと処理時間や記録容量の点で好ましくありません。そのため解析対象の地域について切り出した「サブセット」データ入手が無料かつ容易なSentinel-1作成し使いたいと思います。
Sentinel-1のデータはESAのOpen Access Hub (https://scihub.copernicus.eu/dhus/#/home)からダウンロードできます。ダウンロードする際にはアカウントが必要なので
その領域について様々な処理や解析を行うことができます画面右上の人間マークをクリックしてから指示に従ってアカウントを作成してください

#解析したい地域が大きな画面に収まる様に調整した後Open Access Hubに飛んだら右クリックして出てくるメニューから" Spatial Subset From View"左上の検索コーナーに「S1A_IW_GRDH_1SDV_20190503T204316_20190503T204341_027068_030CA5_8388」と入れてください。検索結果に出てきた画像のダウンロードURL選択しますクリックすれば、ダウンロードが開始されます
#
任意の場所の画像を使うバンド場合には、この動画などが参考になると思います(https://www.youtube.com/watch?v=wBp2pJxhnaw)。

!!Sentinel-1のファイル名の意味
Sentinel-1のファイル名はとても長いですが、このファイル名にはその画像についての詳細な情報が詰まっています。ESA公式のファイル名についての解説はここ( https://sentinel.esa.int/web/sentinel/technical-guides/sentinel-1-sar/products-algorithms/level-1-product-formatting )で見れます。

今回使用する画像を使い、ファイル名についての重要な要素についての説明をしたいと思います。
*最初の"S1A"はSentinel1-Aで撮られた画像であることを示しています。Sentinel1-Bで撮られた場合にはS1Bとなります。
*次の"IW"は画像取得のモードを示しています。"IW"は"Interferometric Wide"の略で、Sentinel-1の画像で最も一般的な撮影モードになっています
解像度5×20m、撮影幅250km)。
*"GRDH"は"GRD"が画像のタイプを示しています。この場合は"Ground Range Detected"の略で、
SAR衛星では偏波による生の取得データを、地球を表すモデルの表面に投影した状態のデータになっています。"H"は解像度の段階を表しており、"High Resolution"の略となっています。
*"1SDV"は"1"が処理レベルを表しています(レベル1プロダクト
。"S"は"SAR Standard"クラスであることを示しています。"DV"はSAR画像を使う上でとても重要な要素の一つの偏波の種類を示しています。この場合は"Dual HH/HV"の画像となっています。つまりこの画像はHH(水平偏波送信/水平偏波受信)とHV(水平偏波送信/垂直偏波受信)の観測結果から作られたデータです。
*その後の数字の羅列"20190503T204316_20190503T204341"は"データ取得開始日時T時刻_データ取得終了日時T時刻"
選ぶ場合には示しています。
*残りの数字は衛星の軌道データやミッションIDなどを示していますが
Band Subset詳細についてはESAの公式ガイドを参考にしてください。

!SAR画像の下準備
SAR画像はLandsatなどで撮影された通常のデータと多くの異なる特徴を持っています。大気中の水蒸気量や電離層の影響に加え、特に問題となるのが以下の3点です。
*スペックル
*キャリブレーション
*幾何学的な歪み


スペックルは「SAR画像に現れるごま塩状の点」
使いたいバンドを選んでください、画像がチラチラとしていて見づらいのに加えて、
SAR画像を使って土地被覆や植生の分類をする上では誤分類の原因となってしまいます
(例 https://javaboys74.wordpress.com/2015/07/19/speckle-in-sar-synthetic-aperture-radar/)
スペックルが生じる原因は「画素内にランダムに分布した散乱体による振幅は同じだが、位相が異なる反射波の干渉」です。位相が異なるとランダムに強め合い・弱め合いが生じてしまうので、画像にはごま塩状に明るい点と暗い点が生じてしまいます。様々な対処法がありますが、よく使われているのはマルチルックとフィルタがけです。レベル1のGRDプロダクトでは既にマルチルック処理が為されているので、フィルタがけによるスペックル低減を行います。

キャリブレーションとは、衛星上で観測されたデータを地上における後方散乱係数へと変換する操作です。これによって、複数の画像を比較・検討することができます。

幾何学的な歪みはレイオーバーやフォアショートニングと呼ばれる問題で、SAR画像は「衛星から対象までの距離」を測ることで画像を生成していることに由来しています。つまり山の山頂などは衛星に対して距離が近くなり、実際の地上における状態と比べて衛星側に近づいた様に表示されてしまいます(フォアショートニング)。

#OKこのサイト(https://www.sed.co.jp/sug/contents/edu/edu9a_sarexampleuse.html)は参考になると思います。この歪みはDEM押せば使って補正されます。

それでは、ダウンロードしたSAR画像の下準備を行ってみましょう。

!!メモリの拡張
*SAR画像の処理には相当のRAMを消費します。そのためデフォルトの設定のままでは干渉SARや、作成した画像のエクスポートができません(メモリ不足の表示が出てしまう)。PC本体に積むメモリは32GB以上が望ましいです。16GBでも動くようですが、処理に時間がかかってしまうかもしれません。
*SNAPのディレクトリ内にetcのディレクトリがあると思います。etcの中にsnap.confというファイルがあるので、viを使って開いてください。viの使い方がわからない場合は [[テキストエディター vi]] を参考にしてください。
*"-J-Xmx◯◯◯"(◯◯◯には何かの数字が入っています)の欄を書き換えてください。例えば"-J-Xmx22G"と書けば、snapは最大で22GBのメモリを使うことができます。22GBの状態で干渉SARなどの操作は問題なく行えました。もし処理時にメモリ不足の表示が出た場合、適宜この欄を調整してください。


!!ファイルを開く
#FileからOpen Productを押して、先ほどダウンロードしたSAR画像ファイルを選択してOKを押してください。これでSNAPへと画像が取り込まれます。(Zipファイルを解凍する必要はありません)
#Product Explorerにファイルが表示されていると思うので、ファイル横の三角形を押してください。MetadataやVector Dataなどいくつかのフォルダが表示されます。画像本体が格納されているのはBandsのフォルダとなっています。
#Bandsのフォルダを押すとAmplitude_VHやIntensity_VHといったファイルが表示されるので、Amplitude_VHをダブルクリックしてみましょう。これで画像が表示されます。
#開かれたSAR画像を眺めてみると、鏡面反射の影響で霞ヶ浦や海などの水面は暗く、二回反射の影響で市街地や建物の密集した東京周辺と景品工業地帯は明るく写っていることがわかります。東京湾に見える沢山の点は、おそらく大型の船舶と考えられます。

!!スペックルを低減する
#開かれた画像は前述のスペックルの影響でチラチラとしているので、フィルタをかけてスペックル低減を行います。
#上部のRadar→Speckle Filtering→Single
Product Speckle Filterを選んでクリックしてください。スペックルフィルタについてのメニューが開かれます。
#I/O Parametersはそのまま、Processing parametersではFilterにLeeを選んでください。Runを押せばフィルタリングが実行されます。
#Product
Explorerに選んだ領域のサブセットが作成されます新たなフォルダ([2])が作成されているので、BandsからAmplitude_VHをダブルクリックしてください
#サブセットについてスペックルフィルタや幾何補正を行うことでスペックル低減前の画像と比べてみると処理時間を大幅に短縮することができます特に河川敷や水面など暗い場所でスペックルが低減されているのがわかります

!画像の出力!!キャリブレーションを行う
編集した画像は位置情報の付与#上部のRadar→Radiometric→Calibrateを選んでクリックしてください。
#初期設定のままで大丈夫なので
幾何補正が終えることで、さまざまなフォーマットで出力・使用することができますRunを押しましょう例として表示されている領域のGoogle Earthで使われているGoogle KMZとしての出力方法を扱ってみます。その他のフォーマットで出力したい場合(Geotiffなど)には
#Product Explorerに新たなフォルダ([3])が作成されているので
左上の”file”Bandsから”export”Sigma_0VH選択して、目的のフォーマットで保存してくださいダブルクリックしてください

#出力したい範囲が!!幾何補正を行う
*関東山地の方を拡大して見てみましょう。SNAPの左下に小さめの画面と、半透明な長方形が表示されていると思います。この長方形の領域は現在大きな画面で
表示されている様に調節したら領域になっています。マウスカーソルでこの長方形を見たい場所に動かしてから大きい画面上で右クリックをしますマウスホイールを回せば拡大・縮小を行うことができます
#メニューが表示されるので山地にフォアショートニングの効果が生じているのが確認できます。そのため”Export a google KMZ file from view”これを幾何補正で軽減します。
#上部のRadar→ Geometric→ Terrain Collection→ Range Doppler terrain Collection
選択します選んでクリックしてください
#Processing ParametersではSigma0_VHをクリックして選択したら、Runを押しましょう。(VHのみについて行うのは処理時間を短くするためです)
#指定した保存場所にKMZファイルが作成されます処理には数分程度かかりますこのファイルをドラッグ&ドロップでGoogle Earthに入れれば処理が完了したら新たなフォルダ([4])が作成されているので編集したSAR画像をGoogle Earth上で操作することができますBandsからSigma0_VHをダブルクリックしてください。
#関東山地のフォアショートニングが軽減されているのがわかると思います