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とらりもん - 関心領域: region of interest Diff

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筑波大学農林工学系 西田顕郎

!Region

ひきつづき、数値地形モデルを処理しながら、GRASSの重要な概念を学ぶ。

以下、GRASS:~>はGRASSのコマンドラインのプロンプトのしるしであり、ユーザーは打ち込む必要は無い。(その後を打ち込むこと)

[[前回|http://ryuiki.agbi.tsukuba.ac.jp/~nishida/lecture/GIS/GRASS_DEM1.html]]|数値地形モデル(GTOPO30)のダウンロードと読み込み]]のようにGRASSを起動せよ。

{{attach_view(GTOPO_E100N40_15.png)}}

!regionについて
 実は、このデータは、もともと日本付近だけでなく、中国南部やマレー半島、ボルネオなども含む、広い領域にわたっている。それなのに日本付近しか表示されないのは、前回行なったGRASSの初期設定で、日本付近を設定してしまったからである。GRASSではこのように、表示・解析する対象領域を、データのもともとの領域とは無関係に、ユーザーが定めることができる。その領域をregionと呼ぶ。

regionの設定を替えるには、g.regionというコマンドを使う。まず、その用法を見てみよう。

    GRASS:~> g.region --help

を実行すると、g.regionコマンドの使用法があらわれる(このように、grassのコマンドは、--helpというオプションをつけることで、その簡単なマニュアルが表示される)。g.regionの用法のなかで、特に実際によく使うのは以下のとおりである:

現在のregion (カレントregion)の詳細を表示する:

     GRASS:~> g.region -g

regionを、既存のデータ(ラスターマップ)の範囲にぴったりあうように設定する:

     GRASS:~> g.region rast=ラスターマップの名前

regionを、東西南北の端の座標で与えることで設定する:

     GRASS:~> g.region n=北端の座標 s=南端の座標 e=東端の座標 w=西端の座標 res=解像度


ここでは、regionを、前回に作ったGTOPO_E100N40というラスターマップの範囲に合わせてみよう:

    GRASS:~> g.region rast=GTOPO_E100N40

では改めて、ラスターマップを画像として表示してみよう(ただし、現在の表示をd.eraseというコマンドで消さなければ、新しいregionは反映されない):

    GRASS:~> d.erase
    GRASS:~> d.rast GTOPO_E100N40

すると、下のような、広い範囲のデータが表示される:

{{attach_view(GTOPO_E100N40_3.png)}}


前回行なった、d.zoomによる拡大は、実はregionをインタラクティブに設定する機能である。実際、d.zoomで画像を拡大したあとでg.region -gを実行してみると、regionの設定が変わっていることが確認できる。ためしに、ボルネオ島付近をd.zoomで(マウスを使って)拡大したあと、g.region -gで現在のregionを確認せよ。

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