IT入門: ソフトウェア
ソフトウェア
ソフトウェア(略して「ソフト」)は、「プログラム」とだいたい同じ概念だと思ってOKです。ハードウェアをうごかすための制御命令や約束ごとからなる「指示書」のようなものです。人間に対してではなく, ハードウェアに対しての指示なので, 機械が解釈できるような、電子的な記号で記述されるデジタル情報です。
コンピュータは、ハードウェアだけで動くのではなく、ソフトウェアによる制御があってはじめて、有機的にはたらくのです。いにしえの人曰く、「コンピュータ、ソフトがなけりゃ、ただのハコ」。
さて、ソフトウェアは、おおまかに以下のような分類ができます:
- OS (Operating System), 日本語では「基本ソフト」
- アプリケーションソフト
- デバイスドライバ
- ファームウェア
OS
OSは、コンピュータの基本動作を制御するソフトです。WindowsとかMac OSとかLinuxなどがOSの例です。
OSの定義は, OSの役割で説明できるでしょう。OSはまずコンピュータ内の部品どうしや、コンピュータと周辺機器とのやりとりをコントロールします。
また、OSはユーザーに操作環境を提供します。これをユーザインターフェースとかヒューマンインターフェースといいます。マウスやキーボードに反応して画面にウィンドウやメニューや文字を表示したりします。それは後述するアプリケーションソフトにも提供します。そのおかげで様々なアプリケーションソフトがおなじような操作感覚で使うことができます。
さらにOSは、いくつものソフトを同時に実行する(マルチタスク)ための下請け業務や交通整理をします。1台のコンピュータの上で同時に複数のソフトが動くと、計算のための「リソース」, すなわちメモリーやCPU (central processing unit; 中央演算装置;計算機の頭脳に相当する)などを, 複数のソフトでどのように共有するか、というめんどくさい問題が生じますが、OSはそれを調整します。
アプリケーションソフト
次にアプリケーションソフトとは、コンピュータ自体の操作以外のなんらかの具体的な目的に対応するソフトです。たとえばワードプロセッサ、表計算、お絵書き、データベース、メール管理、ウェブブラウザなどです。
デバイスドライバ
デバイスドライバは、パソコンが周辺機器(デバイス)を制御するためのソフトです。単に「ドライバ」ともいいます。周辺機器を購入した時, そのままパソコンにつないでもうまく動かないことがあります。そういうときは, 周辺機器に同梱されたCDなどにデバイスドライバが入っていて, それをパソコンに入れる(インストールする)とよいです。
ただし, その事情はOSによります。Linuxは多くの周辺機器のデバイスドライバを自前で持っていて, デバイスドライバをユーザーがインストールする必要は少ないです。
ファームウェア
ファームウェアは, ハードウェア, 特にパソコンの部品(マザーボード等)や周辺機器, ネットワーク機器などに最初から入っている, OS兼デバイスドライバのようなソフトです。初心者はあまり意識しないでもOKです。買ったときにすでに入っているし, むやみに消したり書き換えたりはできないものので, 初心者はほとんど気にしないでよいでしょう。ただし, 古いものファームウェアの不具合のために動作に問題が生じたりするので, たまに「ファームウェアのアップデート」という作業が必要になることもあります。
パソコンの中のマザーボードのファームウェアを特別にBIOS (Basic Input/Output System)と呼びます。BIOSはパソコンが起動するときに, OSが起動するまでの露払いというかつなぎの役割を持ちます。
ただしこれらの分類は厳密ではなくて、境界はあいまいです。たとえば前述のようにLinuxというOSにはいろんな周辺機器のドライバーが既に組み込まれています。スキャナやプリンタについては、それらの周辺機器を便利に使うことができるアプリケーションソフトが、それらのデバイスドライバと融合しているような場合もあります。
ソフトのインストールとアップデート
ソフトは多くの場合、店頭でCD-ROMなどの媒体に入れて売られたり、あるいはインターネット上で流通します。ユーザーはソフトを入手すると、それをハードディスクに記録/保持します。このとき、自分のハードウェアやOS、他のアプリケーションソフトなどとうまく適応するように、必要な設定が行われます。このような一連の作業を「インストール」といいます。インストールされたソフトウェアは、実行されるとき、OSによってハードディスクからメモリに読み出されます。
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