第14章のコメント

P181 式(14.22)は, 前の式でδ/2を微小量とみなして線型近似。

学生のリアクションペーパーから

式の変形で突然微分が登場したら、線形近似がなされたと疑ってもいいかもしれない。

場は写像に近い概念だと理解したが、あえて違いを書くなら、場は写像を空間的に表現したもの、と言えるだろうか? … なかなか本質を突いていますよ。

3次元以外の計算でもナブラ演算子のような物があっても良さそうに思うが、そのようなn次元に対してn個の偏微分を並べた演算子はあるのか?

… 単純にn個の偏微分記号を並べたものも∇で表しますが, 今は∇は3次元と思っておいてください。

p.182 に登場する経路を表す記号はどんな読み方をするのですか?

… Γ。ガンマの大文字です。

例14.3で立方体の各面にかかる圧力を考えましたが、水面と垂直方向の二つの面にかかる力Fの合力は0になると思ってしまいました。なぜ0ではないのでしょうか?

… 逆に, なぜ0だと思うのでしょうか? そこを深堀りして探求・言語化してください。

問230における注釈4において、日射は晴天でも20%程度は減衰すると書かれていたのですが、このことが起こるのは大気と日射におけるどのような現象が原因なのですか?

… レーリー散乱・ミー散乱です。青空の青い光は地上だけでなく宇宙にも逃げています。

EもBも時間的に変動しない状況においては、E=-gradφであることを学んだのですが、EやBが時間的に変動する場合はどのような式で表すことができるのですか?

… マクスウェル方程式(特に17.3, 17.4式)に基づいて考える必要があります。結論だけ言うと, E = -grad φ - ∂A/∂t, B = rot Aとなります。Aはベクトル・ポテンシャルというものです。

偏微分をする順番が変わっても結果は同じになるのかなと思って式変形をしたが、それで合っているのか

… 高階偏微分係数は, 一定の条件を満たす関数なら微分の順序入れ替えが可能です。その条件は実用上はほとんどすべての場合で満たされます。P19右柱を見てください。