要素同士の和やスカラー倍が可能な(それらについて閉じている)集合をみつければよいのです。たとえば奇関数と奇関数の和は奇関数だし, 奇関数のスカラー倍も奇関数なので, 奇関数の集合は線型空間です(同様に, 偶関数の集合も線型空間)。他にも以下のようなものがあります:
ここでわかるように, 線型空間の部分集合が線型空間になることがあります(それを部分線型空間と言います)し, ならないこともあります。
問56, 線型空間の定義の書き取りで, 「2つの式を別々に何回も書く」「2つの式を交互に何回も書く」という2通りのやり方がありますね。「書く」だけなら前者が楽ですね。しかし頭に焼き付けるのなら後者でしょう。作業の目的を考え, 効果の高いやり方を工夫しましょう。
… (d/dt-2)(d/dt+1)x=0を, (d/dt-2){(d/dt+1)x}=0と見てみよう, ということです。
… 良い質問です。sin x + cos x = √2 sin (x+π/4) みたいなのが「三角関数の合成」です。これは同じ周期(周波数)の三角関数同士の和です。フーリエ解析は, sin x + sin 2x + …みたいに, 周期の違う三角関数同士の和です。ただし, その中にsin kxとcos kxが入っている場合は(普通はそうです), その部分については「三角関数の合成」が発生します(これによって位相の変化を表現することができます)。
… 小学校の算数と中学高校の数学にはギャップがあったでしょ? それよりもずっと大きなギャップが高校数学と大学の数学の間にある気がします。
… すっと入ってさっとわかるようなものではないからこそ学ぶ価値があるのです。
… 「標準基底」はユークリッド空間(もしくはいずれ学ぶ計量空間)という特別な線型空間で定義される概念です。標準基底を持たない(そして基底や次元という概念は持つ)線型空間もたくさんあります。