太陽の南中時刻は正午とは限らない。正午と南中時刻の差を均時差という。均時差は年間で微妙に変化する。理科年表にはその様子が載っているが、ここでは軌道計算から出してみた。
太陽の周りの地球の軌道は2体問題としては解析的に解けるが、けっこうめんどくさいので、ここではRunge-Kutta法で運動方程式を解いている。
内容としては、まずz軸を北極、x軸を冬至の深夜方向にとり、冬至からはじめて、その場所の、その日/その時刻までの自転(1年間で365.25+1回)の位相を計算し、地軸まわりに回転させる。その後、y軸まわりに地軸傾度だけ回転。一方、遠日点(7月4日)を起点にして、その日/その時刻の太陽位置(ほんとは地球が動いているのでまず地球位置を計算し、向きをひっくりかえして地球からみた太陽位置にする)を、Runge-Kuttaで計算。で、場所のベクトルと太陽のベクトルから天頂角を出し、地軸方向と地点方向の外積から接地東方ベクトルを、地点方向と接地東方の外積から接地北方ベクトルを出して、太陽方向の東西・南北成分を出して方位にする。
2/12と7/26に極大(遅い南中)、5/14と11/3に極小(早い南中)となることがわかるが、規則的・対称的なサインカーブではないところが面白い。
南中頃の太陽高度は季節変化するから、正午の太陽位置は、年間を通じて8の字形の軌跡を描くはずである。その証拠を以下にお見せしよう:
図 岐阜大学高山試験地庁舎屋上で撮影した、正午の全天写真のムービー(2006年)。
画面の上の方でゆらゆら動いているのは、スカイラジオメータ(大気の光学観測機器)。
ちなみに、こちらのプログラムでは、上と同様の手法で、任意の緯度・DOY(小数;ローカルタイム)における太陽天頂角と方位角を出力する。