ESA SNAPを使ったSAR画像解析3(便利な機能)
SAR画像の視覚的表示
SAR画像が複数の偏波の画像で構成される場合、各偏波に恣意的・便宜的に色を割り当てて擬似的なカラー画像として表示できます。これによって、各偏波に現れる地表の特徴を可視化できます。
- 上部メニューからWindow→Open RGB Image Windowを選んで下さい。
- Red, Green, Blueにそれぞれバンドを割り当てることができます。「ESA SNAPを使ったSAR画像解析1(SNAPのインストール)」で処理した画像を用いる場合には、3つの色に対して2つのバンドしかありませんが、初期設定でBlueにVV/VHが設定されていると思います。
- OKを押せばRed, Green, Blueに各バンドの値を割り当てた画像が表示されます。
サブセットの作成
衛星画像はそのままだと一辺が数100 kmもある大きな領域をカバーすることが多く、そのまま扱うと処理時間がかかったり多くの記録容量を消費してしまいます。そこで, 解析したい特定地域だけを切り出すことができます。それを「サブセット」といいます。以後の処理をサブセットのみについて行うことにすれば, 処理時間も記憶容量も節約できます。
- 右側のペインに, 解析したい地域(サブセットにしたい地域)が収まるように移動・拡大・縮小などで調整します。
- 右クリックメニューから" Spatial Subset From View"を選択。
- 使うバンド(SAR衛星では偏波)を選ぶ場合には、Band Subsetで使いたいバンドを選んで下さい。
- OKを押せば選んだ領域のサブセットがProduct Explorerに作成されます。
- サブセットを対象にしてスペックルフィルタや幾何補正を行うことで、処理時間を大幅に短縮できます。
画像の出力
位置情報が付与されている画像(幾何補正が終わってたら大丈夫)は、さまざまな形式(フォーマット)のファイルとして出力できます。ここではKNZ形式とGeoTIFF形式のそれぞれについて説明します。
- GoogleEarth用のKMZファイルへの出力方法
- 出力したい範囲が表示されている様に調節したら、画面上で右クリックをします。
- メニューが表示されるので、”Export a google KMZ file from view”を選択します。
- 指定した保存場所にKMZファイルが作成されます。
このファイルをドラッグ&ドロップでGoogle Earthに入れれば、出力した画像をGoogle Earth上で操作できます。
- GeoTIFFファイルへの出力方法
- 左上の File→ export→ GeoTIFF/BigTIFFを選択します。
- 保存場所とファイル名を指定して保存してください。
これによってpython, gdal, QGISなどでデータを容易に扱えます。
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References:[ESA SNAPを使ったSAR画像解析2(SAR画像の準備)] [とらりもんHOME]