スカイラジオメータ
注: このページは一個人のメモであり, スカイラジオメータやSkyRad.packの開発グループの見解とは全く無関係である。不正確な記述があるかもしれないので、利用する方はそのつもりで。
もろもろ
- スカイラジオメータにはPOM-01とPOM-02という主に2種類がある。
- POM-01は7波長、POM-02は11波長。
- POM-02の11波長には, いくつか変種がある。
- 340,380,400,500,675,870,940,1020,1225,1600,2200nm
- 340,380,400,500,675,870,940,1020,1225,1627,2200nm ← 1600nmバンドはCO2とメタンの吸収帯がかぶっているので, 1627nmに変更。
- 315 nmが入っているものもある。
- スカイラジオメータは、本体とサントラッカーから構成される。それぞれがシリアル番号を持つ。
略語表
- ins.para : instrument parameter file
- F0
- F0N: F0 by normal Langley method
- F0I: F0 by improved Langley method。半日に1回。
- F0A: F0Iの集約値。
- NW number of wavelengths
- NLN number of sublayers
- NO3 number of orders for wavelengths having absorption by O3
- NWV number of orders for wavelengths having absorption by water vapor
- SVA solid view angle
- TTN: total optical thickness
- WL: wavelength
- IOUT
- IPAR
- IVOL
- IAUR
- IPHS
- IPF0
- JTAU
- IDCR
- IDCI
- INVM
- IPLC
- IPHS
- ANGMN[deg] ANGMX[deg]
- LOOPMX
- EPSA
- EPSA1
- EPSA2
- NSIZE
- RMIN[cm] RMAX[cm]
- NMODE
- RMODE[cm]
- SSL
オリジナルデータファイル
- .CLD 雲スキャンデータ
- .DAT エアロゾル観測データ
- .GND
- .RDM
- .SUN 直達日射計測
- .V00 〜 .V11 ディスクスキャンデータ。立体視野角(SVA)を求めるのに使う。
各ファイルのデータフォーマットは, Skyradiometer POM-01/POM-02 Operation ManualのP18-P19に載ってるよ!
.SUN ... 直達日射計測データ
(最初の2ラインは共通ヘッダ。ここでは省略) 09/05/19,20:11:36,09/05/20,05:11:36,S,Fussa, 20:40:04,05:40:04,-105.54,011.51,4.1847E-09,3.0655E-09,2.5963E-08,3.0296E-07,5.1796E-06, 〜 3.2005E-05,5.2956E-05,6.9740E-06,5.2269E-05,7.2594E-05,3.8612E-05,-21.1,18.5,0000,01209 解説 1行目: Day(世界標準時),Time(世界標準時),Day(地方時),Time(地方時),Measure type(S: direct sun),Location 2行目: Time(世界標準時),Time(地方時),azimuth角,zenith角,Data(Ch1)、Data(Ch2) ... Data(Ch11),NIR温度,筐体温度, 気圧, sun sensor level Dataの単位はアンペア
.V01〜V11 ... ディスクスキャンデータ
- 7日に1回、行うことが推奨されている。
- ファイル名の拡張子内, Vに続く番号(01〜11)はフィルターチャンネル。
- ヘッダーの最初の2ラインは共通フォーマット。
- ヘッダーの3行目は, UTCでの年月日、UTCでの時刻、地方時の年月日、地方時の時刻、D、観測サイト。←このDは, Disk Scanの意味(測定種別)
- ヘッダーに続いて, 21ラインのデータ。
- 1ラインは, 1つのゼニス角のデータ。1ライン内には, ゼニス角の値(-1.0から1.0)に続いて, 21個のそれぞれのアジマス角における観測値が入る。
- ↓例 Skyradiometer POM-01/POM-02 Operation Manualより
(最初の2ラインは共通ヘッダ。ここでは省略) 09/05/26,05:13:41,09/05/26,14:13:41,D,315,Fussa, -1.0,9.0790E-12,1.0757E-11,1.2512E-11,1.4191E-11,1.6556E-11,1.9302E-11,2.1973E-11,…… -0.9,1.0529E-11,1.2283E-11,1.4496E-11,1.6785E-11,2.0370E-11,2.3880E-11,2.8534E-11,…… 1.0,8.4686E-12,9.9182E-12,1.1215E-11,1.2817E-11,1.4648E-11,1.6403E-11,1.8234E-11,…… 解説 1行目: Day(世界標準時) ,Time(世界標準時) ,Day(地方時) ,Time(地方時),Measure type(D: ディスクスキャン),Location 2行目: 最初の2つは, 太陽方位からの相対角。 zenith -1.0° data(azimuth -1.0), data(azimuth -0.9), data(azimuth -0.8) …… zenith -0.9° data(azimuth -1.0), data(azimuth -0.9), data(azimuth -0.8) …… (plus 0.1°) zenith +1.0° data(azimuth -1.0), data(azimuth -0.9), data(azimuth -0.8) …… dataの単位はアンペア
.DAT ... エアロゾル観測データ
- フォーマットにいくつかの変種があるので注意! ... SkyRad.packのReadme_para.docに詳しい。
- H/V ... Hは水平スキャン, Vは垂直スキャン。
- 1回の観測につき, 約3分かけて, 「azimuth角, zenith角, 各バンドの計測値(アンペア)」を21セットとる。
SkyRad.Pack
ポイント:
- スカイラジオメータデータは, SkyRad.packというソフトで解析処理する。
- ドキュメントは, tar.gzパッケージに同梱されている以下の各ReadMeファイル(MS-Wordフォーマット)が最も頼りになる。
skyrad.pack_V42/ ├── ReadMe_skyrad_V42.doc ├── cal_f0 │ └── ReadMe_f0.doc ├── dtform │ └── ReadMe_dtform.doc ├── examples │ └── ReadMe_example.doc ├── parafiles │ └── ReadMe_para.doc ├── solid │ └── ReadMe_solid.doc ├── sproc3 │   └── ReadMe_v3.doc ├── sproc4 │ └── ReadMe_v4.doc └── tkrnl └── ReadMe_tkrnl.doc
- 加えて, Skyradiometer POM-01/POM-02 Operation Manualも有用。特に, データフォーマットはこちらが詳しい。
- また, 池田君修論や, 千葉大VL講習会資料も参考になる。
- 大事な機器定数: 立体視野角(SVA)と, 校正係数(F0: 単位はアンペア)。これらを適切に設定することが重要。
- 立体視野角(SVA)は晴天時の「ディスクスキャン」測定によって推定・決定する。
- 校正係数(F0)は, 改良ラングレー法か, 親機器との比較で推定・決定する。
- これらの機器定数は経時的に変化するとみなすべし。
- SkyRad.packは, いくつかの独立したプログラムの集合体。
- それぞれのプログラム(Fortranソースコード)をコンパイルし, それぞれで実行する。
- それぞれFortranでコンパイル。Ubuntu Linux 14.04では, f2cのfort77でコンパイル可能。makeとかはしない。
- 各種設定はパラメータファイルで行う。
- 入出力は, 全てテキストデータ。
- cal_f0 ... 校正係数F0を推定する。
- dtform ... スカイラジオメータのデータを整形し, SkyRad.packの解析に使えるようにする。
- solid3m ... ディスクスキャン測定データから, 立体視野角を推定する。
- sproc4 ... SkyRad.packの心臓部。メイン。本番。
SkyRad.packのファイルの種類
- ins.para 機器情報のパラメータファイル
立体視野角の推定
- ins.paraの中の立体視野角はテキトーな値でOK。
f77 -r8 -O -g -o solid3m.e solid3m.f vi ins.para <--- スカラジのパラメータを与える。instrument typeと波長だけがきちんとしていればOK。NDAYは0でOK (F0の値は知らん!ということでOK) vi fname <--- .v01〜.v11ファイルのprefix (拡張子の無いファイル名)を既述。 for i in `ls DSK | grep V01 | sed 's/.V01//' | awk '{printf "%s ", $1}'`; do echo $i > fname; ./solid3m.e; cat SVA.out | grep ave | awk 'NR==1{printf"%s ",d}{printf "%s ",$7}END{print ""}' d=$i; rm SVA.out; done
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References:[トレーニングコース] [とらりもんHOME]