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基本的な実験器具・機器の扱い

2012/11/21 筑波大学 野田響

しばしば,リモートセンシングや生態系研究においても,対象の生化学的特性を測定することが必要になる。ここでは,そのような研究で主に使用する実験器具や機器,薬品などの扱いについて解説する。

薬品を扱う前の準備

扱う薬品について,MSDS(Material Safety Data Sheet)を探し(ネットで検索すれば見つかる),一通り目を通しておく。

また,有害な薬品を扱う場合には,下記の準備をしておく。

  • 裸足,サンダル履きでは作業しない。
  • 白衣・ゴーグル(または眼鏡)を着用する。
  • 薬品によっては,ポリエチレン製手袋を着用する。
  • 気化しやすい薬品はドラフトチャンバー内で換気をしながら扱う。
  • 使用した廃液を保管するポリタンクを準備しておく。

※使用するドラフトチャンバーは1ヶ月に一度はきちんと換気されているかチェックすること。

オートビュレットの使い方

色素抽出など,揮発性の高い溶媒を分注する際にとても便利。

  1. 付属の瓶に,十分な量の溶媒を入れ,水平な場所に設置する。
  2. 注ぎ口の部分から廃液入れに溶媒が入るようにして,上部のキャップを上下する。
  3. 途中のチューブの気泡がなくなり,完全に溶媒で満たされるまで繰り返す。
  4. 上部のキャップ部分の目盛りに,ポインターの下部を合わせて分注したい量の数値にする。
  5. 注ぎ口を,試験管のふちに合わせ,上部キャップを止まるまで上に静かに引き上げ,その後静かに止まるところまで押し下げる。
  6. 上を繰り返す。
  7. DMFは気化しやすいので、時々管の中に気泡が発生していないかどうか確認する。

分光光度計の使い方

ガラス(石英)セルの扱い

  • 持つ際にはすりガラス部分をもち,透明な部分には手を触れない。
  • 溶媒が溢れてしまった場合は,キムワイプなどで溢れた分を吸わせる(ゴシゴシと拭かない)。
  • 実験後は,実験器具用の洗剤を入れて濯ぐが,この際も試験管ブラシなどは絶対に使わない。
  • 洗浄後,蒸留水でゆすぎ,口を下に向けて静置する。

分光高度計本体の扱い(HACH DR400Uの場合)

  1. 電源を入れて機械が調整できるまでしばらく待つ。
  2. 画面下部のメニューの「MORE」を押す。
  3. 「MULTI-λ」を押して3波長を測定するモードにする。
  4. 「GOTOλ」を押して複数の波長を指定するモードにする。
  5. 「NEXT FORMULA」を押すと3つの波長測定モードになる。
  6. 「λ1」, 「λ2」, 「λ3」にそれぞれの測定波長を入力する。
  7. 「EXIT」を押してこのモードを抜ける。
  8. ゼロ点調整をする。空のセル(石英ガラス製が良い)を測定場所にセットして「ZERO」を押す。
  9. クロロフィルが抽出した試料をセルにいれて、測定場所にセットしたら、「READ」を押して測定する。
  10. 画面に「λ1」, 「λ2」, 「λ3」それぞれの測定値が表示されるので、紙に記録する。(機械には記録されないのでかならずメモすること)
  11. 測定が終わったDMF抽出液は、廃液入れに入れる。
Last modified:2012/11/21 10:28:16
Keyword(s):
References:[クロロフィル・カロテノイド定量方法(DMF抽出法)]