リモセン虎の穴(Remote Sensing in Tiger's Den)  Index  Search  Changes  Login

履歴_2021

発表履歴

01月05日 年始休み
01月12日 17:30-19:00 崎尾均(新潟大)
01月19日 17:30-19:00 郭威(東大)
01月26日 17:30-19:00 小川健太(酪農学園大)
02月02日 17:30-19:00 水落裕樹(産総研)
02月09日 お休み
02月16日 17:30-19:00 渡部哲史(東大)
02月23日 祝日休み
03月02日 17:30-19:00 小林慶彦(茨城大)
03月09日 17:30-19:00 黒田寛(水産研究・教育機構)
03月16日 17:30-19:00 荒木一穂(岐阜大)
03月23日 17:30-19:00 橋本博文(カリフォルニア大学モントレー校・NASA Ames研究所)
03月30日 17:30-19:00 野村亮太(東大)

2021年3月30日

発表者:野村亮太(東京大学工学系研究科社会基盤学専攻修士二年)

  • タイトル:高解像SARと深層学習を用いたNDVIのダウンスケーリング手法の構築
  • 概要:耕作地は一般的に時間及び空間的な変化が大きいこともあり、高い時空間分解能が望まれる。しかしながら衛星データは一般的に時空間の分解能がトレードオフの関係になっており、両方を満たすデータを得ることは難しい。それに対し本研究(https://www.mdpi.com/2072-4292/13/4/732)では10-m解像度のSAR画像を用いてMODISの250-m解像度のNDVIをダウンスケールする手法を開発した。また二期作などが比較的小さいサイズの畑で行われており、高い時空間解像度でのモニタリングが必要となる群馬県嬬恋村に応用した。Dailyで観測を行うMODISを10-m解像度にダウンスケールすることでより高精度で細かいモニタリングの実現が期待される。

2021年3月23日

発表者:橋本博文(カリフォルニア大学モントレー校・NASA Ames研究所)

  • タイトル:次世代静止気象衛星陸面データプロダクトの紹介及びアマゾンにおけるフェノロジー研究
  • 概要:グローバルな炭素・水循環における陸面過程の多くが日変化を伴う事象であり、衛星データを用いた研究利用においても地上観測同様に高頻度の観測が望まれる。しかしながら、MODISに代表される地球観測を目的とした中解像度光学センサーは極軌道衛星に搭載されており、日中の観測は一日一度であった。2014年に打ち上げられたひまわり8号に搭載されているA H Iを始めとして、次世代静止気象衛星にはMODISと似たスペクトル領域かつ中解像度のセンサーを搭載するようになり、今後静止気象衛星の高時間分解能を利用した地球環境研究が期待される。本発表では、最初にGeoNEX における次世代静止気象衛星陸面データプロダクトの紹介をする。次にGeoNEXデータを用い、高時間分解能を活用した研究事例を報告し、主な事例の一つとしてアマゾンにおけるフェノロジーの研究の詳細を紹介する。

2021年3月16日

発表者:荒木一穂(岐阜大学 自然技術研究科)

  • タイトル:航空機LiDARを用いた広葉樹二次林におけるギャップダイナミクスの分析と予測
  • 概要:林冠ギャップ(以下ギャップ)の形成から消失におけるギャップ動態の過程は、森林生態系ごとに様々であり、森林の林分構造や生物多様性を左右する要因の一つである。ギャップ動態の解析は、森林の多面的機能の評価、長期的な資源利用や景観の保持・改変のための適応的森林管理を決定する上で重要な知見となる。航空機LiDARから得られる地物の位置座標は、ギャップの空間分布を把握することが可能で、広域における森林ギャップ動態のモニタリングに有効な情報である。本研究では、岐阜県高山市の落葉広葉樹二次林を対象に2005年、2011年と2016年の航空機LiDARデータからギャップを抽出した。抽出したギャップについて、初期ギャップ面積と経年変化を集計し、ギャップ縮小現象のモデル化を検討した。昨年末に投稿しました論文の紹介をさせていただきます。Araki, K.; Awaya, Y. Analysis and Prediction of Gap Dynamics in a Secondary Deciduous Broadleaf Forest of Central Japan Using Airborne Multi-LiDAR Observations. Remote Sens. 2021, 13, 100. https://doi.org/10.3390/rs13010100

2021年3月9日

発表者:黒田 寛(国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産資源研究所(釧路))

  • タイトル:水産海洋分野におけるリモートセンシング
  • 概要:水産海洋学とは、海洋の環境(水温や流れ)変動を研究する海洋学を基盤として、漁業が対象とする魚(水産資源)の変動について、環境変動の観点から究明する学問である。海洋環境変動を調べるための手法は大きく分けて二つありとして、船舶、人工衛星、フロートなどを用いた海洋モニタリングと、シミュレーションを用いた海洋モデリングであり、両者は相補的な関係にある。水産海洋学でしばしば用いられる人工衛星プロダクトは、海面水温、海面高度、クロロフィル濃度などであり、1980年代以降、本分野の研究に飛躍的な進展をもたらしている。さらに、2000年以降、海洋モニタリングとモデリングを統合するシステムとして海況予測システムが国内外の研究機関で開発・運用され、水産海洋研究のあたらなインフラとして注目されている。にもかかわらず、現在、漁業/水産業のニーズをすべて満たせるような水産海洋研究が実施できているわけではない。例えば、小学校の社会科の授業で、「暖かい海水と冷たい海水が接する三陸沖では潮目ができて好漁場ができる」ということは教えられたが、「潮目」の実態あるいは漁場との関係が正しく理解されているわけではない。本セミナーでは、水産海洋学におけるリモートセンシングや海洋モデリングの概要と、Landsat 8の海面水温から抽出したリアリティーの高い「潮目」の実態について紹介したい。

2021年3月2日

発表者:小林 慶彦(茨城大学大学院農学研究科)

  • タイトル:日本における放棄された農地のマッピングにむけた衛星コンステレーション時系列画像の改善
  • 概要:農業従事者の減少に伴い農地の放棄が進む一方で食料安全保障などの重要性が高まり、現地調査によらず耕作放棄地の状況を定期的かつ詳細に把握する手法の開発が求められている。そこで、超小型衛星のコンステレーションPlanetScopeを利用することによって、(1) 高い観測頻度によってフェノロジーを観測すること、(2) 高空間分解能によって小区画を識別することの2つを両立し単年のデータから詳細な耕作放棄地のマップを作成する手法について研究を行ってきた。特に、衛星コンステレーション時系列画像での反射率の時間的一貫性を改善する手法と、NDVI時系列における雲の影響を削減する手法を提案し、その有効性と課題を検討した研究を行った。現在、本研究を論文として発表することを検討しており、足りない点や留意点などについて広くご意見をいただければと考えている。

2021年2月16日

発表者:渡部哲史(東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻)

  • タイトル:2019/20の記録的少雪の特徴ー渇水に着目した研究の観点からー
  • 概要:本発表では、2019/20年の記録的な少雪の特徴について、記録的な高温との関連を踏まえて報告致します。本研究は少雪によりオリンピック渇水が再度生じるのではないかという懸念から、昨年3月に速報的に解析したものです。実際はその後の降雨が多かったことや、COVID-19もあり渇水は全く問題にはなりませんでしたが、本事例のように記録的な高温に由来する少雪は温暖化の進展により今後は頻発することが予想されるため、同様の懸念は今後高まると考えられます。発表者は水工学を専門とするため、渇水に関連する研究への取り組みも交えながら掲題の内容について紹介させて頂きます。

2021年2月2日

発表者:水落裕樹(産業技術総合研究所 地質調査総合センター)

  • タイトル:GANベースのデータフュージョンによる周北極域の湛水モニタリング
  • 概要:周北極域の湛水モニタリングを高分解能・高頻度に実施することは当該地域の水・エネルギー循環に及ぼす気候変動の影響を理解するうえで重要である。本研究では東シベリアのサーモカルスト湿地帯を対象に、中分解能かつ高頻度(500m解像度、daily)での湛水マップを作成した。具体的には、広く普及している機械学習のひとつであるランダムフォレストと、conditional GANの一種であるpix2pixを組み合わせたアルゴリズムにより、クラウドフリーな光学マップ(MODIS)をマイクロ波データ(AMSR2)や再解析データから予測した。対象地域における湛水面積率を34日分の検証マップと比較したところ、平均誤差率-2.43%、RMSPE14.7%であった。機械学習の設定に関するいくつかの実験や、他のデータソース(Sentinel1, SWAMPS, JRC)との比較により、本アルゴリズムと作成マップの特性を議論した。

2021年1月26日

発表者:小川健太(酪農学園大学 環境共生学類)

  • タイトル:論文「UAV画像を用いた水面の水鳥の自動カウント」の紹介およびその後について
  • 概要:紹介論文「小川 健太,牛山 克巳,小練 史弥:UAV画像を用いた水面の水鳥の自動カウント,日本リモートセンシング学会誌,39(5),pp. 363-370,2019」https://www.jstage.jst.go.jp/article/rssj/39/5/39_363/_pdf/-char/ja上記論文のUAVで北海道の宮島沼にて塒入りした水鳥を自動カウントした事例研究について紹介する。カウントの対象としたマガンは日の入り後に塒入りが完了し、多くの場合日の出前に塒立ちするために低照度での撮影する必要がある。本研究ではそのような環境下に適合した撮影手法を見いだすとともに、最盛期には数万羽にもなるマガンを機械学習による画像物体検出により自動的にカウントする方法を開発した。また論文発表後も撮影および自動カウント手法の改善(Deep Learningの活用)に取り組んでいる。研究としてはまだ未完のところも多くあり、出席者各位からの意見を戴きたい。

2021年1月19日

発表者:郭威(東京大学大学院農学生命科学研究科)

  • タイトル:近接リモセンと機械学習を用いた植物フェノミクス研究
  • 概要:圃場におけるセンサネットワーク,ロボット,ドローン等を用いた時空間データの収集できる近接リモセン技術が急速に発展しているが,その一方で,得られた膨大なデータを解析する技術が追い付いていない.画像データによる植物フェノタイピングでは,太陽光や風などの影響を受けて大きくばらつく画像データから植物の生長速度・形状変化・生育状況などのデータ抽出を安定的に行うアルゴリズムがボトルネックとなっている.今回のセミナーは, 当研究室が行っている農家圃場及び育種等試験圃場において栽培されている種々の作物を対象として,画像データによって植物フェノタイピングを行うためのアルゴリズムのとその応用に関する研究の一部を紹介する.

2021年1月12日

発表者:崎尾均(新潟大学佐渡自然共生科学センター)

  • タイトル:富士山に森林は登り続ける!ー40年間の森林動態ー
  • 概要:世界中で気候変動が問題となる中で,それが生態系に及ぼす影響については話題となるものの実際のデータはそれほど多くない.欧米などでは極域や高山帯などの植生の移動や昆虫と開花時期とのミスマッチなどが知られている.日本では気温などの長期観測データはあるものの,温暖化の影響に関しては,ソメイヨシノの開花時期の早期化など生物季節の変化や高山帯の植生の移動に関しての研究がある.しかし,植生の研究に関しては,リモートセンシングを用いた解析で,長期間にわたってフィールドで植生変化を明らかにした研究は少ない.本研究では,比較的新しい火山である富士山の森林限界の動態を40年間のフィールド調査によって明らかにした.富士山南東斜面の森林限界に永久調査区を設定し,1978年から2018年まで20年間隔で樹木の個体数,直径,樹高などを測定したとともに,森林限界上部に新たに侵入した実生の動態と定着メカニズムを明らかにした.【共同研究者】増澤武弘(静岡大学防災総合センター) 【紹介論文】Advancing Timberline on Mt. Fuji between 1978 and 2018,著者:Hitoshi Sakio and Takehiro Masuzawa,雑誌:Plants 9:1537(2020),論文リンク:https://doi.org/10.3390/plants9111537.The advancing timberline on Mt Fuji : natural recovery or climate change?,著者:Hitoshi Sakio and Takehiro Masuzawa,雑誌:Journal of Plant Research 125:539-546 (2012),論文リンク:https://link.springer.com/article/10.1007/s10265-011-0465-3
Last modified:2021/04/14 08:49:50
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