国土保全・危機管理のための流域監視技術の開発

国土の状況を常時監視することは、防災のみならず、環境保全など幅広い意味での国土保全のために必要不可欠です。しかしながら、山地域は概して、アクセスが悪い上に情報伝送インフラが乏しいことにより、監視・観測データは限られています。一方、近年、スマホや車のドライブレコーダーなど、数多くのカメラが世の中にあふれ、多くの映像、画像が蓄積されつつあります。さらに、画像処理技術は急速に進歩しています。

そこで、画像や映像から、降雨や河川の水や土砂の動きが把握できるようになれば、これまで観測データが乏しかった山地域のデータの取得が格段に進む可能性が期待されると考えています。本研究室では、山梨県富士川流域を主な対象とし、画像情報から山地域の降雨状況や土砂流出状況、出水状況の把握・定量化技術の開発を進めています。近年、低価格化が進んでいるインターバルカメラの活用や機械学習の技術の活用などについて研究を進めています。

参考文献: 監視カメラ画像の画素値を用いた降雨強度の推定:金澤瑛;内田太郎;中谷洋明, 砂防学会誌/74(3)/pp.37-48, 2021-09

山梨県富士川流域における流域監視技術開発の検討に用いているインターバルカメラ
カメラの画像から出水によって流路の幅や位置が変化している様子が確認できる |
インターバルカメラによる河床材料の変化の評価結果