福島県における土地利用土地被用図の作成および解析

図1: 農地からメガソーラー施設に転用された場所のパノラマ画像 (宮城県 亘理町)

2011/03/11に東日本大震災が発生しました. 震災による被害は, 今なお多くの問題を残すほど甚大なものでした. また, 地震そのものだけではなく, 同時に発生した津波や原発事故は我々の生活に大きな影響を与えました. 震災から10年以上が経過し, 被災地は復興の最中にあります.

図2: 帰宅困難地域にあるソーラーパネル (福島県 浪江町 高瀬川沿い) 図3: 除染施設 (中間貯蔵施設) 入り口 (福島県 双葉町). 近くに除染土を入れた大きな袋が山積みになっている.

被災地では, 復興に伴って多くの土地利用土地被覆の変化がおこっています. 例えば, 津波被害により, 利用不可能になった農地をメガソーラー用地として利用している場合があります (図1). また, 放射能汚染により帰宅困難区域に指定された地区でも, もともと農地であった場所のいくつかでソーラーパネルが建設されています (図2). 加えて, 汚染された土を除染する施設やフレコンバックに詰められた除染土が置かれている場合もあります (図3).

そこで本研究では, 人工衛星画像を利用し土地利用土地被覆図を作成・解析することによって, 震災によって発生した土地利用土地地被覆の変化を捉え, 震災が土地利用土地被覆へ与えたの影響を評価することを目的としています.

上図は欧州宇宙機関が開発・運用する人工衛星Sentinel-2を機械学習によって解析することで作成した2020年の土地利用土地被覆図です (福島県 東京電力福島第一原子力発電所付近). 青色: 水域, 赤色: 都市部, 水色: 水田, 薄桃色: 畑地, 黄色: 草地, 緑色: 森林, 茶色: 裸地, 紫色: ソーラーパネルを表しています.

図上部にはソーラーパネルがかなり大きく広がっていることがわかります.

この土地利用土地被覆図を作成するにためは大量の土地被覆土地利用に関するデータと研究対象地の土地勘が必要とされます. これらを得るために定期的に福島県へ調査に行きます.